【終了】「縫い展」2016.10.6(thu) – 10.19(wed)
日本の暮らしの知恵から生まれ、主に東北地方で用いられた刺し子。
様々な図案が生まれ、その一途な針仕事の中にも、身に付ける衣服へおしゃれを施した女性たちの美しい心が、そこにありました。
針仕事は、女性にとってとても重要な仕事で、娘が生まれた母親はその子がお嫁に行く時には、縫いためたいくつもの図案の花ふきんを渡し、送り出すエールと共にその技術をつないでいきました。
平成の世には染色技術や化学繊維の発展も遂げ、安価に布も手に入るようになり、季節が巡るごとに、流行に合わせ衣服を買い換えること十分できる世の中になりました。
それも幾人もの先人のお陰だと思います。
そんな現代に残る、強く美しい東北の女性たちが伝えてくれる刺し子、手縫いならではのやわらかさ、時に無骨さだったり繊細さだったりその個性、やさしさを感じて、存在感ある布の力。それは特別なものではなくて、お母さんの夕ご飯、日曜日お父さんの作る犬小屋、子供の描く自由なお絵描きのように、暮らしの中で優しい気持ちになれるような、そこにあるものでありますようにと思いを込めて、花ふきんを作りました。
縫いの力、縫いの存在感、平成の世にもちゃんと残っていきますように。
〈木下悠子プロフィール〉
栃木県生まれ。
祖母の着物を譲り受け身に纏ったことから、日本文化、手仕事に興味を惹かれ、裁縫に傾倒する。
目指すは100年前のお母さんがやっていた仕事、を胸に裁縫をしています。